ブラジル豆知識
ボウリングに見るブラジル人の創造性

 子供から大人まで誰もができる娯楽ボウリング。あまりイメージには合わないが、もちろんここブラジルにも存在する。しかしブラジルのボウリングとは一体どんなものなのか最初は正直想像できなかった。もしかしたらブラジルではいまだに古い木のレーンを使って、手書きで得点を付けるのではないのか。ピンを倒したら自分で立て直さないといけないんじゃないのか、などと失礼にも思ってしまったのだ。

 サンパウロ市にあるボウリング場にいざ行ってみると、なるほど施設は日本となんら変わりのない普通のものだった。プラスティック製のレーンはピカピカだし、ピンセッターも全自動である。これなら問題なく遊べそうだ。ゲームを始める前に参考までに「今までの最高スコアは?」とブラジル人の女の子に聞いてみたら、「うーん、まあ300ぐらいかな」と言われた。300といえば全投球でストライクを出さなければならない。もしや自分が知らないだけでブラジルは世界に誇るボウリング強国なのだろうか。しかしいざボールを投げ出すと、過去にパーフェクトゲームを達成したはずの張本人はガーターの連続。どうやらただの見栄っ張りのようだ。

 あくまでもこの日限定の話だが、自分のところも隣のレーンもそのまた隣のレーンでもブラジル人はメチャクチャなボールの投げ方をしていた。手の平を返して投げる人、ファールラインのギリギリまで一気に助走をつけておきながらライン上で立ち止まって投げる人、ボールの穴に人差し指、中指、親指を入れて投げる人、両手で投げる人。なぜそんな投げ方をするのかと尋ねれば、「だってこの方が投げ易いんだもん。あなたこそなんでそんな投げ方をするの?」と、こちらの質問を質問で返されてしまった。他の種目でもよく見られることだが基本的に基本を重視しないのがブラジル流なのである。それはもしかすると、人の真似をしたくないというブラジル人特有のプライドなのかもしれない。または彼らの生まれ持った個性ともいえる。形ではなくフィーリングにこだわり、頭ではなく体でプレーするからこそ見ていて意表をつかれることばかりで面白い。

ブラジルのボウリング場