ブラジル豆知識
連休の枕族

 連休前になると人々がソワソワし出すのはブラジルもまた同じで、特に労働者たちはカーニバルを含む大型連休ともなると、頭の中はビーチや遊びのことばかりで仕事がほとんど手につかなくなるようである。「昨日から連休のことしか考えてないでしょ?」とでも聞けば、「昨日からじゃなくて、半年前からだよ」などといった大げさな答えが返ってきたりもして、連休に対する気合の入れようが伝わってくる。

 休みが続くとサンパウロ市の住民たちは同じタイミングで海岸や田舎にこぞって出かけていくため、当然ながら主要高速道路は渋滞になり、同時にその数日間だけサンパウロ市の人口は激減する。ついさっきまであれだけたくさんの車や人がごった返していた街が急にシーンとなってしまうのだからある種不気味ですらある。空港やバスターミナルに行くと大勢の人々がそれこそ避難するかのように都心から出て行くところを目撃することになり、その光景もまた不気味である。しかしそんなことはどこの国でも見かける状況に過ぎず、特に珍しいことではない。本当のサプライズは、ブラジルの連休大好き人間のかなりの割合の人たちがわざわざ自分の枕を旅に持参する、という点に尽きる。誰が始めたかは知らないが辺りを見渡せば枕、枕、枕ばかりなのである。

 枕族には圧倒的に女性が多く、「財布は忘れても枕だけは絶対に忘れないわ」とでもいわんばかりに大事そうに腕の中にマイ枕を抱えている。ブラジル人女性といえばカーニバル連休ともなれば、人前で裸同然で踊り狂う、などというワイルドなイメージばかりが付きまといがちだが、実は案外デリケートな人たちのようである。

連休になると増える枕族