ブラジル豆知識
新広告の到来

   サンパウロ市内を走るバスの車内に突如として新手の広告が出現した。日本でもお馴染みのつり革広告である。ブラジルでは地下鉄にもバスにも広告はあるにはあるが、日本のように所狭しとあらゆるスペースを陣取る気配はなく、どこか遠慮がちに「申し訳ありませんが宣伝させてもらいます」といった具合に出しているだけでまだまだ商売っ気が足りないのが現状である。企業や店側が広告の重要性、可能性にいまひとつ気づいていないといえなくもない。今まで誰もやっていない方法で宣伝活動するのはなかなか勇気がいるものなのか、それとも宣伝効果自体に疑いを持っているのか、日本では当たり前にビジネスツールとして使われている日常のスペースがまだまだ未開拓のまま放置されている。

   そんな中、先頭を切ってつり革広告に乗り出したのが世界のマクドナルドだった。他の国でやっているからブラジルで受けるという保証はないのを十分承知の上でいち早く誰もやっていなことに手を出すのだからさすがとしかいいようがない。なによりこのつり革広告のおかげでそれまでほとんどなかったつり革の数そのものが急増し、捕まるところに困らなくなったのが嬉しい。今まであったつり革はつり革というより、ただのベルトで安定感が全くなく、ほとんど役立たずの代物だった。それに比べ新タイプは手にフィットするようにグリップ部分に溝ができており、プラスチック製で見栄えも良い。しっかりと根元の部分が固定されているために安定感も抜群である。

   にも関わらず今のところほとんど誰もこれに捕まっていない、というのがブラジルの面白いところである。ブラジル人は新しいものに異常なまでに警戒する習性があり、基本的に知らない物は食べない、飲まない、触らないという原則を守っている。少しぐらい興味を示して写真を撮ったりする人がいてもいいものだが見かけない。この分だとマクドナルドはまず手始めにつり革広告を認知してもらうための宣伝活動をする必要にせまられそうだ。

 

従来の不安定なタイプ 新タイプは安定感抜群