
横から見たらこんな感じ
オレリョン(Orelhão=大きな耳)の愛称で親しまれているブラジルの公衆電話は、小さな青い電話機を薄いグリーンの屋根が覆う形になっているのが特徴だ。日本の公衆電話と違う点はコインが使用不可なところ。そのためテレフォンカードをバー、駅前の売店、お菓子屋などで買わなければならない。テレフォンカードを購入したら電話機に付いている黒い読み取り機にスライドさせるように挿入すると、残りのカード度数が表記されて通話ができるような仕組みになっている。とまあ電話はだいたいどこの国にいっても使用方法にさほど大きな違いはない。
ブラジルの公衆電話はだいたいがこのオレリョン、もしくは屋根なしの裸の電話機で日本のようなボックス公衆電話はどこにも見当たらない。長距離通話や国際通話をかけるために電話屋のような店舗があり、そこには確かにボックス電話があるが、これは一般の公衆電話とは一線を画す高級電話といった感じがする。ロングディスタンスの場合、かけ先によっては雑音が混じって全く聞こえないということもあるのでやはりボックスにする必要性が出てくるのだろう。

中には片耳だけのも
それにしても一般の公衆電話がボックスじゃないのはどうしてだろうか? ブラジル人が日本人のようにプライバシーを重視しないからだろうか。それともただ単に費用の問題か。道端にボックスを設置してもサッカーの試合後に荒れたファンがどうせ破壊するだろう、と考えてのことかもしれない。いずれにしろオレリョンはどうしても日本の電話ボックスには質で劣ってしまう。先方の声がとにかく聞き取りずらいのと、なぜか3分の1ぐらい(正確な統計はないが)の電話機がテレフォンカードを読み取らなかったり、ボタンが壊れていたり、受話器が根元から外れていたりと、とにかくなんらかの故障を抱えている。それもそのままほったらかしになっていて数ヵ月後に同じ電話を使おうとしてもやはり壊れたままということが多い。質ではやはりどうしても分が悪い。その代わり数では日本の公衆電話を超えるのではないだろうか。町を歩けばとにかくそこら中に薄緑の大耳が転がっている。最初に当たったのが故障中なら、すぐに隣のやつに移動するといったように公衆電話のハシゴをする人をよく見かける。日本では携帯電話の普及により人々が公衆電話をあまり使わなくなったが、ブラジルでは携帯が国民の大部分に浸透した今でもまだまだ健在だ。
オレリョンには一般人用と障害者用と2つあり、障害者用は車椅子の人でも使えるようにと低い位置に設置されている。しかしながら故障率が圧倒的に高いのは大多数の人が使う一般人用の電話機の方で、体を丸めながら障害者用の電話を使っている人も少なくない。そもそもちゃんと機能しないのなら一般人用も障害者用もある意味がない。むしろあるだけ紛らわしいし邪魔なだけだ。とにかく政府には早く直してもらいたいものだ。

これでは随分と使いにくそう

シンプルなものからユニークなデザイン
までと様々なカードがある