年季の入った携帯はこんな感じ
 ブラジルでもすっかり浸透した携帯電話。国家電話通信代理局(Anatel)の調べによると、2007年9月の時点でブラジル全国には約1億1200万台の携帯電話が出回っているという。ブラジルの人口が約1億8000万人だとすると、62%以上の人が携帯電話を所有していることになる。

 国民の所得増加はもちろん、携帯電話機の価格が低下したことが普及に大きく貢献したのだと思う。ブラジルでは現在一番安いのになると100レアル以下で携帯電話機が買えるが、これが4、5年前だと最低でも300レアル以上はした。価格競争が進みこれだけ安くなったものの、さすがに日本のように“タダ”でというわけにはいかないようだ。

 日本とブラジルの携帯電話事情の大きな違いといえば、日本の利用者の大半が銀行引き落としや振り込み、つまり後払いを希望しているのに対し、ブラジルの利用者の大部分はプリペイド(前払い)を選んでいるところだ。どうやら後払いにすると「後でどれだけ請求されるか分かったもんじゃない」というのがブラジル国民の心理らしい。

 また、お金の節約のために月々の基本料金がかからないプリペイドの携帯電話を受信専用として使っている人も多い。プリペイド携帯はプリペイドカード、またはクレジットを売店や宝くじ屋で買うことで通話ができるようになっているが、この「わざわざ購入しないといけない」という点がプリペイド携帯の最大の欠点だろう。
  ブラジルの通話料金はとても高く50レアルのクレジットを買ってもすぐになくなってしまう。クレジットを買いに宝くじ屋にでも行けばそこには同じような状況の人々が大勢いて長い列を作っていたりする。すると「わざわざ購入しないといけない」という欠点に「わざわざ並ばなくてはならない」というさらなる欠点が加わることになる。これもプリペイド携帯の厄介なところだ。しかし多少面倒くさかろうが料金が明確でコストが安い方を選択するのがブラジル人の習性ともいえる。

最近は折り畳み式が流行 これは最新の薄型携帯 横から見るとこんなに薄い

 機種については日本では国内の家電メーカー製が主流である一方、ブラジルではモトローラー、シーメンス、ノキアなどの欧米メーカーが幅を利かせている。機能の面では日本と比べるとかなり後退気味。最近になってやっと写真が撮れる機器が流行りだしたほどだ。

 とはいえ近代化の波は確実にブラジルにも押し寄せていてサンパウロなどの大都市を歩けば必ず誰かが道端で携帯電話片手にお喋りしている姿がある。立ち止まりながらメールを一生懸命打っている人もいるし、電車の中で携帯を使って音楽を聴いている人もいる。近い将来ブラジル人も日本人のように携帯電話に狂う日が来るのかと思うと、少し寂しいような気もするが。

ブラジルでも携帯はサラリーマンの必需品 若者ももちろん持っています