店頭に山積みにされるパネトーネ
  南半球ではクリスマスの時期が夏に当たってしまい日本とは雰囲気も一転する。マフラーを巻き、手袋をはめ、白い息を吐きながら歩く人はおらず、ソフトクリームを片手にタンクトップに短パンという人たちが街に溢れる。気候も違えば過ごし方も全く違う。日本では恋人同士、友達同士、独りで過ごすといったようにクリスマスの過ごし方が多様化しているが、ブラジルでは家族や親戚といった血のつながりを持った人たちが集まるのが普通。家族によっては日本の正月のように祖父母、伯父叔母、従姉妹が一堂に会したりもする。

 イベント度でいうと、日本のほうにやや軍配が上がる。日本ではデパート業界、観光業界、ホテル業界、飲食業界などがこぞってクリスマス商戦を打ち出すのに対し、ブラジルでは商店がちょっとしたセールをして、スーパーがパネトーネと呼ばれるパンと七面鳥を一斉に売り出すぐらいで、ほかの業界は結構大人しくしている。飾り付けも原宿の表参道のような大規模なライトアップは見られず、大手銀行や気のきいた店がサンタクロースの人形を店の前や屋根に置いておくに過ぎない。

 ただ、キリスト教徒の規模でいえば日本はブラジルの足元にも及ばない。地理統計院によると、ブラジルのカトリック信者の数は2000年の時点で1億2550万人を突破しており、世界最大だという。そのため12月25日には大勢の人々が教会に足を運び、ミサに出席し、お祈りを捧げる。ブラジルにおけるクリスマスとはすなわち家族と宗教なのである。日本でクリスマスの飾り付けが凝っているのはそうでもしないと元々キリスト教徒でもない日本人がクリスマスの気分に浸れないからだ。メディアや経済活動に操られ、なんだか知らないけどこの日を特別な一日だと思い込んでいる日本人と比べると、ブラジル人はまだまだ純粋に本来のクリスマスを過ごしているという感じがする。

ブラジルだけに飾り付けもテキトウ? クリスマスツリーもシンプルそのもの なぜかうつ伏せのサンタクロース
こちらはかなり本格的 大通り沿いの私立学校ではこんなイルミネーションも