ブラジル在住の日本人が一番恋しがるものの一つがお風呂ではないだろうか。湯船に浸かってきれいさっぱり疲れを流し、ストレスを解消するという考えのある日本人にとってはブラジルのバスタイムはちょっと物足りないかもしれない。30度を超える真夏のときならまだいいが、10度以下に冷え込む真冬にシャワーだけというのはいまいち感じが出ないからだ。

 よっぽどリッチな住宅でない限り、ブラジルでは基本的に家に風呂桶は完備していない。ホテルでも安いところだとシャワーだけというのが多い。国民がそれだけ入浴を重要視していないということだ。通常のブラジルのシャワーはガスではなく電気式。シャワーの上の部分を見てみると、なにやら電線のようなものがコンセントに向かって伸びているのが分かる。頭の部分にはレバーがあり「ON⇔OFF」や「夏⇔冬」などの設定ができるようになっている。これを「OFF」にすると当然お湯は出なくなる。「夏」にするとお湯がぬるくなる。電気が流れているためこのあたりを下手にいじくるとビビビっと感電してしまうこともある。

 この電気シャワーだが場所によってはONに設定しようと熱い湯が出なかったりする。蛇口を開ければ開けるほど水が冷たくなり、閉めれば閉めるほど暖かくなるという仕組みになっていて、真冬時に熱いお湯を全身に浴びて体を芯から温めたいと思ってもチョロチョロと雨漏りのような水量で我慢するしかないときもある。(もちろんちゃんとした住宅や宿泊施設の場合は問題なく大量のお湯が出る)こうなるともはや楽しみとはいえず、滝水に当たっている修行僧のような気持ちにさせられる。「入浴大好き」なんていう人はブラジルのシャワーにどうか心して対峙して欲しい。

風呂桶のないバスルーム これが噂の電気シャワー、感電には注意を