銀行の前にできた長蛇の列、こんなときは利用を避けたい
   待つことが好きだという人にはいまだかつて会ったことがないが、文句を言いながらも何十分、ときには何時間も平気で待つ人には会ったことがある。というかブラジルにはそんな人たちがうじゃうじゃいる。日本人と比べると全体的かつ絶対的にブラジル人の仕事のペースは遅く、そのせいで何かと待つことが多い。スーパーで買い物をするときでも普通に並ぶ。銀行に列があるのは当たり前。バスはいつ来るかも分からない。これをマイナスと見たらそれまでだけれど、待つ余裕があるというのは忙しい日本からしてみれば贅沢だとも考えられる。ここでの生活は何も殺気立って急ぐ必要がないのだ。

 もちろんマイナスでしかないときもある。ペースはゆっくり、時間にはルーズでも閉店時間、退勤時間はしっかり守るズルイ人間もいる。一度郵便局で手紙を出そうとしたら「(閉店時間を)2分過ぎたからダメ!」と時計を指されながら断れたことがある。少しばかり待たされても最後に目的が果たせれば納得がいく。しかし散々並んだ後でそんなことを言われたら、それまでの待ち時間は水の泡だ。急ぎの手紙だからといっても局員のお姉さんは聞き入れてくれなかった。駄々をこねても無反応だった。このお姉さんのように自分はダラダラ仕事をするくせに他人には融通を利かせないというツワモノが結構いる。こういう人にはどれだけ抗議しても効果はなく、結局そのときも翌日まで郵便局が開くのをただ待つしかなかった。

 「待つことがとにかく嫌い、絶対無理」という人はできるだけ待たない方法を模索するのがいい。スーパーは何時が空いているのか、銀行は何曜日が混雑するのかなどを頭に入れて置けば結構スムーズにサービスを受けられるようになる。ただどんな方法を使ってもほぼ確実に長時間待つはめになるのが役所、警察署など国家機関の各種書類手続きだろう。彼らのノロさにはさすがに頭に来るときもあるが、役人や警察官に楯突いても仕方がないのでこれはもうすっぱり諦めるしかない。この国では多くの場合においてなによりも諦めが肝心なのだ。