大通り沿いに現れる屋台
 盆踊りの定番である焼そばがなぜかサンパウロでかなり浸透している。ブラジルでも日本の盆踊りが流行りだしたのかと思ったがそうではなかった。どうやらいつごろからかどこからともなく中国人、もしくは日系人が屋台で焼きそばを売り出したら、これが飛ぶように売れたようなのである。

 今では中国人や日系人だけでなくブラジル人まで焼きそばを作ってレストランで出したりしている。これがまたブラジル人に都合良く「YAKISSOBA」と“S”を2つ並べて表記したりしている。(Sが1つだとブラジル人は「ヤキゾバ」と発音してしまうため)スペルも違えば味も日本のそれとは全くの別もの。まずソース焼きそばはないと思っていい。中国人が作る焼そばが幅をきかせているので中華風焼そばが基本だ。しかしそれはそれで結構美味しい。中華なべで炒めた野菜と麺の上に秘伝のこってりソースがかかっており大変香ばしいのだ。

 屋台の焼そば屋はサンパウロ市の大通りに出没する。以前はよく中国人のお父さんが料理をして、お母さんが横でアシスタントをしている姿を見かけたが、最近では完全に一人で切り盛りしているソロ活動派の人がほとんどのようだ。値段は驚くほど安くスモールサイズなら3レアル程度で食べられる。焼そばが成功したのはこの価格のせいなのか、それとも味のせいなのか。もともとブラジル人は得体の知れない外国料理を簡単には口にせず異常なほどの警戒を示すのに焼そばはなぜかブラジル人の“厳しいテスト”に見事パスしている。あまりにも空腹のときに屋台の焼そば屋の前を通りかかった人がついつい買ってしまった、そしてその人が友達に、その友達がまた友達に伝えてあっと言う間に広まった、というのはあくまでも想像だが、理由はどうあれこれだけ定着した「YAKISSOBA」は偉い。

見事な手さばきで あっという間に作ってしまう このボリュームで4レアルは安い