ブラジル人は米を食べる。日本人と同じように毎日毎日米を食べる。朝は食べないとしても昼と夜はほとんどの人が食べている。はっきりいって奇妙である。南米でこんなに米を消費する国は間違いなくブラジルだけである。米の生産量は2004年に世界9位(FAO Statistics調べ)となり日本を上回ったほどだ。米の生産がこれほど盛んなのは暖かく降雨量の多いこの国の気候が米作りに適しているからだろう。なぜそんなに米を食べるのかとブラジル人に聞けば「そこに米があるから」と答えるかもしれない。
 ブラジル米は日本米と比べふっくら感に欠け、パサパサしている。ブラジル人は基本的に水を少なめにし、油を混ぜたりして米を炊くため余計にパサパサ感が引き立つ。そのうえ米本来の甘みが苦手なのか塩で味付けをしてしまうため、レストランで出される米はまるで具のないチャーハンといった感じだ。
 サンパウロ市の一般のスーパーで売られている米の値段は5キロ入りの袋が6レアル前後から10レアル前後(2008年3月現在)と大変安い。たくさんの銘柄、種類があるが実際はどれも似たり寄ったり。重要なのはどの米を買うかではなくどう調理するかであって、水の量を調節すれば十分に美味しいご飯が炊ける。
 ブラジルの米人気を陰で支えているのは他でもなくフェジョンである。日本の米と味噌汁の関係よりもブラジルの米とフェジョンの関係のほうが親密感があり、米と味噌汁の関係を「親友」とすれば、米とフェジョンの関係は「夫婦」といえよう。日本人の場合味噌汁がなくても魚や肉などで米はいくらでも食べられるが、ブラジル人の場合たとえ肉や魚があろうと、そこにフェジョンがなければダメなのである。それだけ米とフェジョンはいつもベッタリなのである。ブラジルの米に慣れるというのはすなわちフェジョンに慣れるということでもある。このふたつさえクリアしたら、後はスムーズにブラジル料理に入っていけるだろう。

ブラジル米にもたくさんの種類や銘柄がある 米とフェジョンは最高のパートナー