注意して見ているとサンパウロの町にはオブジェ、彫刻、グラフィティ、そして一風変わった建築物といった“芸術作品”が意外に多いことに気づく。町の汚れや喧騒に覆われ普段はあまり目に入らないけれど、いつも通っている道にもふと見上げたところに新しい発見があったりする。

ただの落書きのようなものもあれば 完成度の高いものもある

  特にグラフィティアートは至る所で見かける。なぜか東洋人街リベルダージ地区に多く、色鮮やかな図案が殺風景な壁や店のシャッターに生気を与えている。素人が描いたただの落書きも人気アーティストによる完成度の高い絵も出来の良し悪しやスタイルに関わらず同じ空間を分け合って共存している。ビルの最上階や屋根にペイントされたものもあり、かなりの危険を冒しているのが分かる。そうじゃなくてもペインターたちは常日頃から住民に怒られる、警察に追いかけられるなどのリスクを背負いながらスプレーを使っている。壁にただ絵を描くだけでも結構大変なのである。でもだからこそその一瞬のひらめきの中で生まれる作品は多くの人を立ち止まらせるのかもしれない。

こんなところや こんなところにも

  パウリスタ大通りにあるトンネル内には世界最長と謳われる作品がある。これは落書きではなく政府公認の壁画。日本移民百周年を記念して製作されたものらしく、芸者、侍、忍者などブラジル人が思いつきそうな“日本”スタイルに仕上がっている。

パウリスタ大通りのトンネル内に描かれたグラフィティ
芸者 そしてこんなキャラクターも

  CPTM(市電)のラパ駅の壁もカラフルに飾られている。パッとしない郊外の地区だけに余計にそこにある絵がかっこよく見える。たくさんのアーティストの作品が何十メートルにも渡って並んでおり、それぞれを見比べるのも面白い。
  他にもグラフティは町のあちこちに存在する。ボーっと町を歩くのではなく注意深く探せばきっとかっこいい作品に出会えるはずだ。美術館、博物館にある物だけが芸術ではない。サンパウロはストリートアートも熱い。

ラパ駅はこんなにカラフルになっています
個性豊かな作品がずらり