ポルキロに計量器は欠かせない
 ブラジルには重さで値段を決めるレストランがたくさんある。それらのレストランは「restaurante por kilo ヘストウランチ・ポルキロ(以下ポルキロ)」と呼ばれ、体重を量って太っている人はたくさん食べそうだから高めに、痩せている人はあまり食べそうもないから低めに値段を設定するのではなく、皿に盛った食べ物の重さを量って値段を付けるシステムの下成り立っている。たくさん盛ればそれだけ高く、少なく盛ればそれだけ安く上がるという合理的なこのシステムは小食の女性を中心に人気がある。だいたいどこのポルキロもたくさんの種類の野菜と肉を用意しており選択肢が豊富なところが売りである。その一方で普通のレストランに比べると多少値段が高い欠点もある。大食いの男性だと20レアル(2008年5月現在、約1200円)を超えても不思議ではない。


パンもグラムで値段が決まる
 サンパウロではブラジル料理だけでなく中華や日本食などのポルキロも珍しくなくなった。中華には焼そばやチャーハン、日本食には巻き寿司や握り寿司がありもちろん重さで値段が決まる。寿司の値段をグラムで定めてしまうなんてことを日本の寿司職人が聞いたらたちまち怒り出しそうだが、ここではそれが当たり前なのである。あらかじめ言っておきたいのはポルキロの寿司は新鮮さに欠け、味もそれなりに不味い。寿司に限らずポルキロでは全ての料理を大量に作って後は置いておくだけなので、できたてホヤホヤを味わうというあの喜びは得られない。ポルキロでの喜びはお腹が空いて死にそうになっているときに待たずに食べられるという「早さ」や目の前に並んだ料理の数々を少しずつ味わえる「遊び心」が大部分を占めるのではないだろうか。

 ちなみにレストランのほかにもブラジルには重さで値段が決まるクリーニング屋やアイスクリーム屋があるほか、フランスパンの値段も2006年10月から1個いくらではなく何グラムいくらというふうになり、なにかと日々の生活に計量器が使われている。大雑把なブラジル人にしては計りにいちいち商品を乗せてグラム単位で価格を見極めるなんていう動作は細かすぎやしないかと疑問に思う。こうすれば国民が納得するのか、それともなんだか得した気分になれるのか、いずれにしろよく分からない人たちである。