シュハスコは食べ放題の定番
 ポルキロや普通のレストランでは満足できない人は食べ放題のレストランに行くしかない。サンパウロにはシュハスコ、ピザ、寿司、中華など大食いを唸らせる店がうごめいている。ポルキロと違って食べ放題は、その名の通りどれだけ食べても値段が均一なのが食いしん坊には嬉しい。それもブラジルでは日本のように60分いくらというのではなく時間無制限が一般的なので胃が持つ限り永遠に食べ続けることが可能だ。一見女性からは支持されなさそうなサービスだが実際は違う。「食べ放題(coma á vontade, rodizio, festivalなどと呼ばれている)」という言葉そのものの響きに魅力かあるのか、男女問わず多くの人が利用している。

 ブラジルの食べ放題の定番といえばシュハスコとピザである。どちらもピンキリで高い店だと結構いい値段を取られるが安い店だと20レアル(2008年現在約1200円)もしない。シュハスコとピザはどうもブラジル人が突然むしょうに食べたくなる食べ物のようで、そのため競争も激しいし当たり外れもある。この二つに関しては会話を楽しみながら食事がしたいときにはお勧めできない。シュハスコやピザのレストランに行くと必ず数人のウェイターが席の回りを「腰肉いかがですか?」、「ナポリターノはどうですか?」などと言いながらちょこまかとひっきりなしに動くので「どんどん食え! 食ったらはやく帰れ!」と脅迫されているようで会話どころではなくなってしまうのだ。会話もほどほどにひたすら食べてばかりいると、なんでこんなに一生懸命食べているのか分からなくなり、分からない間にいつの間にかお腹も一杯になっている。

 肝心な味はブラジルの食べ放題レストランも日本と同じくほとんどが大味だ。たくさん食べるぞ!と強い決意を持って立ち向かってもなぜかそんなに食べられない。油っぽい料理が多く普段よりも食欲がそそられなかったりする。無理してたくさん食べたところで勘定を見たら飲み物代がびっくりするほど高く、結局なんだか損したような気分になることもある。しかしよく考えてみると客が得していたら商売なんか成り立つはずがないのである。なぜそれを理解しながらもわざわざ食べ放題に行くかといえば、好きなものを好きなだけ食べるというのは万人の夢だからである。