多くの来場客が訪れるSP動物園
 サンパウロ市にあるサンパウロ動物園に行ってみると、そこには当然のことながらたくさんの動物がいた。動物たちは例外なくみんなボーっとしていた。飼い主に似るという言葉があるように、そこにいる動物たちもどこか週末に家の前で空を見つめながら暇そうに座っているブラジル人を連想させる。夜行性だからかそれとも餌をあまりもらっていないのか園内にいる昼間の動物たちはあまり活動していなかった。人気者たちの前には見物客がドッと押しかけるが、当の本人たちは全く無関心に日陰で寝そべったりしている。もっとすごいのになると寝床に入り、全く姿を現さない。それを見て人間たちは「寝てるだけで全然動かないよ」とか「もっと近くに来ないと写真が撮れないじゃん」などと自分勝手なことを言い出す始末。それでも動物たちは不平に全く耳を貸さずに逆にのんびり見物客を観察したりなんかしている。ブラジルでは動物園もやっぱりのんびりしていた。

 サンパウロ動物園の見所はなんといっても鳥類。オウム、タカ、ワシ、クジャクなど近くで見ると結構大きくて迫力がある。これまで一度もお目にかかったことのない珍しい鳥もいる。違う檻に似たような鳥が何羽もいて、それぞれに微妙な違いがある。種類が豊富なので見ていて飽きない。 ブラジル人にはしかし鳥類よりももっとスケールの大きい像、トラ、ライオン、キリンなどの方が人気があるようで、それらの檻の前には常に人だかりができていた。日本だとパンダやコアラ、もしくはアライグマといった可愛い系の動物に人気が集中しがちだけれど、ブラジル人には可愛らしさよりも単純に大きさと強さの方が魅力なのかもしれない。

園内には様々な鳥がいる
ここでは大きな動物が大人気

 サンパウロ動物園を訪問する前にひとつ気になっていたのは、ブラジルのことだから動物と見物客を隔てる檻や柵もいい加減に作られているのだろう、ひょっとすると道に野良犬がいるように熊とかサイとかが放し飼いにされているのではないのかということだった。だが、実際には檻まではかなりの距離があるうえ、どんな脚力を持ってしても飛び越えられないほどの高い塀が設けてあって危険は全くなかった。園内は動物園というより植物園といった感じで大自然に包まれている。辺りには木々が生い茂り、中心部には大きな湖まである。大都会の喧騒を抜け出し、動物と自然の中で週末を過ごすのも悪くない。

動物もスローライフを満喫